この日、本来は五所川原まで戻って鯵ヶ沢側からアクセスするつもりだったが、前の晩にGoogleマップやツーリングマップルを見ながら、岩木山のふもとをまわるルートからを選んだ。

理由は単純——昨日からずっと岩木山の存在感に圧倒されていたからだ。

宿泊していた山田温泉旅館を出発したのは朝の7時40分。
すでに日差しは強く、当初の予定より少し薄着でスタートした。だが、寒さを見越して防寒着はすぐに取り出せる場所にしまっておく。
りんご畑を縫うように走る道は、のどかでネイキッドのぶらり旅にはちょうど良い風景。初めて見る、白くりんごの花が印象的だった。

岩木スカイラインへの挑戦:69連続ヘアピンの坂道

岩木スカイラインの通行料値上げ
スカイラインの入口までは約1時間。料金所で1200円を支払い(ツーリングマップルでは1050円)、いよいよあの名道に挑む。支払いにクレジットカードをはじめとするキャッシュレスに対応しているのはびっくりした。
この道は何と言っても「69個のヘアピンカーブ」が目玉。聞くだけでライダー魂が揺さぶられる数字だ。15分ほどかけて、次々と現れるカーブをクリアしていく。

ただし、正直に言えば期待と同じくらいの恐怖もあった。路面はところどころ荒れ気味だったし、ガードレールがない区間も多い。上りはまだしも、下りは砂を踏んで滑ろうものなら谷底直行という緊張感に包まれる。
高度とともに変わる景色と気温
30個を超えたあたりから空気が明らかに冷たくなる。
40個あたりでは視界が一気に開けて、下界を見下ろす壮大な景色が広がる。
50を超えるころには完全に「寒い」と感じ、予定より薄着だったとはいえ、防風対策をしていたのは正解だったと思う。

終点は8合目の駐車場。

ここまで来ると風が強く体感温度はさらに低下するので、防風インナーなどで体を保温しておくことをおすすめする。

今日はリフトが運休中だったが、登山装備で歩いて上がる外国人の姿も。自分には到底真似できないと思いつつ、見送る。
特にすることがなかったことや、料金所で「この後まだ風が強くなるらしい」という情報のもと、少しでも早く下りておこうということで、岩木スカイラインを下ったのは9時半頃。
アップルロードで南下し、アスピーテラインへ
そこからは再びりんご畑が広がる「アップルロード」を抜け、途中道を逸れてリンゴ公園で休憩を挟む。

リンゴソフトクリームでライダーの義務を果たし、リンゴジュースを飲む。
リンゴ尽くしの休憩タイム。

岩木山の姿が名残惜しい。

が、また次の名道が待っているため大鰐弘前ICへ向かう。

高速道路からもいつしか岩木山は背後に隠れ見えなくなった。
次はこのツーリングの実質最後の目的地となる名道「アスピーテライン」。