高速道路でのバイク走行を快適にしてくれるETC。ノンストップで料金所を通過できる便利さに加え、「ツーリングプラン」などのお得な割引制度もあることから、装着を検討しているライダーは多いはず。
一方で、バイク用ETCは車用に比べて割高で、「本当に元が取れるの?」と疑問を感じている人も少なくありません。今回の東北のツーリングですら、試算の結果元が取れるものではなかった。
とはいえこの先「高速道路はETC搭載車のみ通行が許可される時代」になる可能性だってなきにしもあらず。
この記事では、ETCを未装着の私自身の視点から、そのメリット・デメリット、費用対効果、助成制度、そして今後の動向までを丁寧に掘り下げていきます。
バイク用ETCは必要か?金銭的メリットに疑問を感じる理由
高速道路の利用を快適にするETC。とくにグローブを外して財布を取り出す手間があるバイクにとって、その恩恵は大きいものです。
しかし現実には「費用が高すぎる」「使う頻度が少ない」「割引の恩恵が少ない」といった理由で、導入をためらっているライダーも多いのではないでしょうか。
高すぎる初期費用
オートバイ用ETCは防水性や耐振性が求められることから、車載器そのものが高額で、取り付け・セットアップ費用を含めると3〜4万円かかるのが一般的です。
車と比べて割高感が強く、ちょっとした時短や利便性のためだけにこの費用をかけるのは、躊躇してしまいます。
ETC割引の縮小
かつては通勤割引・深夜割引・長距離利用割引など豊富な特典がありましたが、2014年の制度見直し以降、割引内容は縮小傾向にあります。
年に数回しか高速に乗らない人にとっては、費用対効果を実感しにくくなっています。
使用頻度とコストのバランスが悪い
バイクで通勤していたり、週末ごとにロングツーリングへ出かけるような人なら導入メリットも大きいでしょう。
それは金銭的なメリットではなく日々のストレスの軽減対価として。
しかし、年に数回しか高速に乗らない場合、ETCを付ける費用を回収するのは難しいです。
それでもETCがあった方が良い理由
ノンストップ通過の快適さ
料金所でグローブを外し、財布を取り出して支払い、またグローブをはめるという一連の動作は非常に面倒です。マスツーリングでは仲間を待たせてしまう原因にもなり得ます。
追突リスクの回避
たまにあるETCと一般の兼用レーン
ここで一番怖いのは後続車が突っ込んでくること。
料金所でお金を払っていて、後続車がバイクに気付かずもしも突っ込んで来たらと思うと怖くないですか?
最近はあおり運転が話題になってあまり報道されませんけど、高速道路を無料で不正通行するために一般レーンを突破するという事件がありました。
大半の車が料金所で止まること前提で走ってると思うので大した事故にはつながらないかもしれませんけど、もしもそういう不正車両が突っ込んでくることがないとも限りません。
ツーリングプランの活用
ETC装着車限定で利用できる「ツーリングプラン」は、高速道路が定額乗り放題になる制度。うまく活用すればかなりお得に長距離移動が可能になります。
今後の展望:専用料金制とETC義務化の可能性

国土交通省やNEXCOでは、将来的に「二輪車専用料金」の導入が検討されています。
その際、ETC装着を前提とする動きが進められており、さらにその先「そもそも高速道路はETCでないと通行不可」といった時代が来る可能性もあります。
助成制度を活用して導入のハードルを下げよう
毎年行われるETC導入助成制度を活用すれば、補助が受けられるケースもチラホラ。
ただし、それでも自己負担は2万円以上となるのが一般的。費用対効果に納得できるかどうかが判断のポイントです。
もしもこの助成制度が拡充されて、実質1万円程度の負担で導入できるようになれば、ETCの普及は一気に進むことでしょう。
まとめ:今は見送りでも、将来を見据えた判断を
現時点でETCを取り付けていないライダーにとっては、「今すぐ必須」という状況ではないかもしれません。しかし、今後の料金制度や助成制度の動向次第では、再び検討する価値が出てくる可能性は十分あります。
もし私と高速道路を使って一緒にツーリングすることがあったら…
そのときは、ちょっとだけ待っててくださいね。
