疲労が溜まっているのか、眠りが浅い日が続いている。今日も朝は早く目が覚めた。朝食は7時からとのことなので、それまでに荷物をまとめ、すぐに出発できるよう準備を整える。
昨日は曇っていた大間崎。せっかくここまで来たのに、あの光景を曇天のままで終わらせたくはない。ということで、朝の大間崎に再訪。
ところがバイクのメーターにふと目をやると、見慣れたくない赤いランプが点灯している。

オイルランプだ。しばらくスピードを落として走っていたら消えたが、残りの旅程を考えると不安が残る。
海には多くの船が出ていて、朝の静かな津軽海峡を背景に愛車XJR1200を撮影した。

目の前のみやげ物屋さんでは知りたくない事実を知ってしまう。
マグロ漁師でテレビでも有名な山本さんが、応援リーダーとして自販機や店頭のポスター、商品化にまでされている。


マグロを追う熱い漁師としての山本さんのイメージが壊れてしまった…。
大間海峡保養センター戻ってからは体が冷えきっていたので、朝食の前に宿の朝風呂でしっかりと温まった。(入浴シーン略)
今日は青森経由で龍飛崎、そこから龍泊ラインを通って五所川原方面へ。できれば昼過ぎには龍飛崎に到着したい。
横浜町では菜の花ロードをおすすめする
むつまでは「はまなすライン」を快走。大型車に捕まらなければ、なかなか気持ちのいい道だ。
時間短縮を狙って下北道に乗るが、出口が下道から遠く、逆にタイムロス。こういうとき、ナビを使えばいいものの、地図で走ると決めた今日はそれもなし。
横浜町からは昨日走った農道(菜の花ロード)を迷わず選択。道端には菜の花畑が広がっていて、気持ちを切り替えてくれる景色だった。

国道279号線と並行して走り、そのまま横浜吹越ICにアクセスできる。
何より交通量はほぼ皆無で信号がない。何か所か一時停止はあるので、その点だけは注意。
マシントラブルで地元のバイク屋に駆け込む
違和感を見過ごした自分のミス
横浜吹越ICから間違って一つ手前のハーフ野辺地ICで下りる。
いや、おかしいな?とは思ったんだが、乗りなおすことも出来そうにないので下道を走る。
ところがこの野辺地町で、ついにマシントラブル発生。
十和田湖でも聴いたチェーン系の異音に加え、フロントフォークから伝わる激しい振動。ついにここまでかという覚悟をしてバイクを停める。
地元のバイク屋を探して駆け込む。

バイク屋って、自分の店の客でなければ意外と冷たい態度を取られたりするけど、すぐに見てくれて本当に助かった。
原因は広島を出発前にバイク屋に依頼していたチェーンの調整、これが張りすぎていたのが原因だった。
出発前にチェーンをクリーニングした時にはこの張り具合に違和感を感じつつ、バイク屋の整備を過信した自分のミスだ。
そういった事情を話してチェーンの張りを調整してもらうが、今のお世話になっているお店に対して不信感を持つようになったのは間違いない。
ちなみにフロントフォークのガタツキの話をしたときに一応スピードメーターのケーブルを外してみてくれたんだが、再取り付けした際にスピードメーターが動かなくなった。

ケーブル自体を回した時にはメーターが反応したので、メーターギアが逝ったのかもしれない…。なので、ここから先はスピードメーターも動かないが、トリップメーター&オドメーターも動かない。
結果的に小一時間のロスとなったが、山中で起きていたら詰んでいたかもしれないし結果オーライ。
人生万事塞翁が馬とはこのことである。
フェリー休航と陸路選択の吉
塞翁が馬はこれだけではない。
実は今日のルート、当初は脇野沢から蟹田へ向けてフェリーで移動する予定だった。
ところが予約のためにひと月前に電話した時、今日と明日はむつ湾フェリーが休航とのこと。

もし乗っていたら、蟹田でのトラブルには対処できなかったかもしれない。
大型連休を外したことも幸いした
ゴールデンウィークを使えば、もっと長期間の休みにすることもできた。
が、ゴールデンウィークはどこも混んでいるし、万一の時に頼るバイク屋さんも休みの可能性が高い。年式の古いバイクで長距離を移動するのは、やはり心配事がついて回る。
そういう事情もあって、あえてこのタイミングにしたのも幸いした。
津軽半島の龍飛崎までは山越えと海岸線、どっちを選ぶ
改めて青森を目指してみちのく有料道路、そして青森道へ。正午に市街を抜け、蟹田で小休止。
蟹田ではフェリー乗り場の上にそびえたつ「トップマスト」に登る。

132段の階段を一気に駆け上がる。
足元からは30m下が見える。

上から陸奥湾を一望。



マシントラブルによるタイムロスゆえに龍飛崎までの時間を地元の人に確認すると、圧倒的に山越えのほうが早いと言う。ところが地図を見ても、そんなに時間差が生じるとは思えない。なので距離差は覚悟のうえで海沿いルートを選択。結果、最高の快走路だった。
龍飛崎には13時過ぎに到着。津軽海峡の石碑に立ち寄り、「津軽海峡冬景色」の歌を聴きながら、名物の階段国道も体験。
そして龍泊ライン。今日のハイライトとも言える絶景ロードをXJR1200で走り抜ける。
五所川原から山田温泉旅館へ
津軽半島の快走を楽しみつつ、岩木山を遠くに眺めながらまずは五所川原を目指す。

少し着替えの買い足しや、明日の山岳コースに向けての買い出しだ。
買い物を済ませ本日の宿「山田温泉旅館」へ。


この温泉、実は“ハゲ相撲”でも有名らしい。
大きくはないが、温泉らしいお湯が肌に染み渡る。大間の温泉よりも「温泉らしさ」を感じられてとても良かった。
道に迷い、トラブルが起き、予定通りにはいかない。それでもその先にある風景や人との出会いが、旅を豊かにしてくれる。それもツーリングというものだ。