前にXJR1200にXJR1300のホイールを流用することができるのかっていう記事を書いてたんですけど、それっきりになってます。
結論から言うと、コストの割にはメリットが少なそうというのが自分の出した答えです。
それでも「条件がそろってやってみる」という人もいるかもしれないので、まとめというには恥ずかしいのですが、ここまで私が集めた情報をまとめておきます
2003年以降のXJR1300のホイール流用は現実的か?
まずXJR1300のホイール流用についてですが、1999年までのホイールの移植については純正品番も同一のため、まったく意味がありません。
大きく変わっているのは2003年以降で、公式でも「軽量ホイールを採用」と記載されています。
新たに輸出モデルFZS1000と同型の軽量ホイールを前後に採用しました。スポーク・リム部分の肉厚最適化で軽量化と最適強度バランスを両立。軽快かつスポーティーな走行性を一層洗練させました。
その他、スピードセンサードライブ軸取出しの変更により、フロント廻り配線を廃止し外観品質を向上、また新作ドライブスプロケットカバー採用などを行いました。
ただ、これをXJR1200に流用するにはいろいろ問題がありそうです。
フロントのホイール移植にはメーター取り換えが必須か?
まずフロントホイールについてですが、XJR1200は下の写真のようにメーターギアからワイヤーを通してスピードを測定します。

でもXJR1300については2003年よりスピードセンサーの取り出しが変わって、電気式となっているようなのでメーターの取り換えもともなうようです。
電気式のメーターはデイトナなどからも発売されてますけど、やはり砲弾メーターは捨てたくないので、この点では却下。
それと2000年以降はブレンボキャリパーから住友MOSキャリパーに変わって、ディスクも小径化されてますので、仮に手に入れたホイールにディスクがついていたとしてもキャリパーの交換も前提となるので、非常にコスト高となることが予想されます。
XJR1200とXJR1300のホイールとディスクの取り付け部やMOSキャリパーとブレンボの取り付けピッチが同一という確証が取れれば、XJR1200のディスクを移植してしまうということもありかもしれませんが、ディスクが大きくなる分不利にはなります。
リヤのホイールについて
2003年以降のXJR1300のリアホイールは、XJR1200と比べると約33%近く軽量化されてます。
フロントはメーター交換などが伴う可能性が高い反面、リアは簡単かと言うと、チェーンラインの調整が必要になる可能性があります。

この点についてはホイールのJ数がXJR1200とXJR1300では同一なので、ほぼ問題はないと思いますが、リアのアクスルシャフト。社外品ではXJR1200や99年くらいのXJR1300と、それ以降のXJR1300の品番が変わっているので、径が変わっている可能性があり、調べたところXJR1200のリアのアクスル径は20mm、2000年以降は28mmになっているとか。
リアのアクスルシャフトはスイングアームに貫通するわけなので、その加工が必要になる可能性もありますし、最悪リアのスイングアームから丸ごと流用する、ホイールのベアリングを交換するなど加工してXJR1200のアクスルシャフトに合わせるという覚悟も必要かもしれません。
FZR100のホイールを移植する
メーターの取り換えを回避しようとすると同年代のバイクからの純正流用が一番安全策かもしれません。
その中でも可能性が高そうなのがFZR1000。
どうもこのFZR1000とXJR1200の足回りはかなり似通っているようで、ウェビックのアイテムレビューのリプによるとポン付けも可能なんだとか。
こちらはXJR1200用のホイールが3GMにポン付け出来るということですね!
その通りです、初期のXJR1200は、FZRとホイールが全くの共通なんですよ!
https://imp.webike.net/article/261002/
それでいてネイキッドモデルのXJR1200と比べてホイールは軽量化されているとの噂。重量などを調べてみたんですけど、さすがに30年近く前のバイクのデータは探しきれませんでした。なので仮についても軽量化されているという保証はありません。
上の引用では「全くの共通」と言われてますが、XJR1200が乾燥重量252kgに対してFZR1000は204kg~214kgと40kg近く軽いのに、ホイールはXJR1200と同じとも考えにくいので、試してみる価値はありそうです。
さらにFZR100のホイールには白いモデルもあったので、ドレスアップ目的にはなりそうです。
FZR1000とXJR1200のフロントまわりの互換性は高そうである
バイクブロスのこちらの記事によると、FZR750 にFZR1000のスイングアームやホイール、フォークなどを移植して、XJR1200のブレンボキャリパーをボルトオンで移植した例が紹介されてます。
なのでキャリパーとホイールの位置関係の互換性は比較的高いのではないかと思われます。
XJR1200へのホイール純正流用はコスト高にてあきらめた
まあこれらの情報を整理して結論を言うと、純正流用によるハードルは当初思っていたより高いということです。
特にタイヤやホイールは走行中高回転で動くものですし、万一のことがあれば命に関わる。果たしてそれだけのリスクを負ってまで流用する価値があるのかということを考えると、「やってみたい」という思いはありますが、費用対効果としてはデメリットが大きすぎると思います。
そうかといってゲイルスピードやマルケジーニといったメーカーのホイールは、XJR1200なら車体が買えるほど高価です。
もしもこの記事をきっかけに、でも手元にはXJR1300のホイールがあるというレアケースのオーナーさんがいらっしゃれば、安全が担保できる範囲でぜひ挑戦してみてください。
とりあえず確信的な情報が得られない限りは、この純正流用という私の妄想は、この記事で終わりにしたいと思います。