ここ広島は明日には台風が接近し、バイクにも乗れなくなるので、わずかな時間を使ってひとっ走り・・・と思いきや、自宅を出てまもなくXJRのタコメーターの中にあるオイルの警告灯が点灯してしまいました。
以前、ツーリングに行った帰りの高速道路の走行中に点灯した事もありますが、気持ちのいいものではありません。
オイルランプが点灯するとどういったことがエンジンに起きるのでしょうか?
点灯したときにはどういった対策をすればよいのでしょうか。
私のとっている対策を含めてご紹介します。
オイルランプの警告の意味と最悪のシナリオ
ランプの警告の意味|エンジン油圧の異常を警告
XJR1200(1996年式)のタコメーター内にある「アラジンのランプ」マーク。

多分どんなバイクや車にもこのアラジンの魔法のランプのようなマークはあるはずですが、これはエンジン油圧が設定値を下回ったときに点灯する重要な警告灯です。
油圧とは、エンジンオイルをエンジン各部に送るための圧力。これが正常に働かないと、各部の潤滑が損なわれ摩耗・焼き付きのリスクが高まります。
ランプが点いた時に起こる最悪の事態|エンジン焼き付き

警告灯の放置は、金属同士の直接接触による摩耗を引き起こし、エンジンの油圧が完全に掛からなくなった場合、エンジンは数秒〜数分で焼き付く可能性があると言われてます。
比較的軽症:オーバーヒートや異音
→ 早期対応で回避可能。
最悪のケース:エンジンの焼き付き(ピストン固着)
→ エンジン全損。修理ではなく載せ替えレベル。
◆ 焼き付きが起こるとどうなる?
エンジンが焼き付くと、ピストンが動かなくなり、エンジンが急停止します。その結果、リアタイヤがロックすることがありますが、
- クラッチを即座に切れば転倒は回避可能
- 一般道やツーリング中であれば、急停車による投げ出しリスクは低い
とはいえ、高速走行中やクラッチ操作が遅れると転倒のリスクはあるため、油量チェックと冷静な対処が重要です。
XJR1200のオイルランプが点く理由と考えられる原因
エンジンオイル関連
原因 | 説明 |
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オイル不足(量が少ない) | 最も多い原因。オイルが減ると油圧が保てず、警告灯点灯や焼き付きへ。 |
オイル漏れ・滲み | ドレンボルト、オイルフィルター、ガスケット、シールなどからの漏れ、オイルが不足する。 |
オイル劣化 | 高温にさらされた古いオイルは粘度が低下し、油圧が下がることがある。 |
粘度不適合(柔らかすぎるオイル) | 指定より柔らかすぎるオイルを使うと、油圧が上がらない。 |
オイルエレメント(フィルター)詰まり | オイルがフィルターで詰まり、流量が不足し油圧が落ちる。 |
XJR1200、XJR1300のエンジンは4ストなのにエンジンオイルが減るという報告も多いように、オイル交換から時間が経つと量が減って点灯する可能性はある気がします。
オイルポンプの異常
原因 | 説明 |
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オイルポンプ故障 | 機械式オイルポンプが正常に回転しないと、油圧が立たない。 |
オイルストレーナー詰まり | スラッジ・カスでストレーナーが詰まると、オイルが吸えず油圧低下。 |
吸い上げ不良 | オイルパン内のオイルが極端に少ないと、エアを吸って油圧が掛からない。 |
この件で気になるのは、上り坂で点灯することが多い気がするということ。
ひょっとしたらオイルポンプがエンジンの前方についていたとすると吸い込み不良が起きてもおかしくはなさそう。
エンジン内部の摩耗や損傷
原因 | 説明 |
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メタル(ベアリング)摩耗 | クランクやカムのメタルが摩耗すると、隙間が広がって油圧が逃げる。 |
シリンダー・ピストンの摩耗 | 関連部のクリアランスが広がると、油圧損失の一因になることも。 |
熱膨張を計算して、あらかじめクリアランスを大きく作られていると言われる空冷エンジンの場合、オイルランプの点灯が走り始めに集中しているということを考えると合点がいきます。
油圧センサーや電装系の不良(誤検知)
原因 | 説明 |
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油圧センサーの故障 | 実際の油圧は正常でも、誤って警告灯が点灯するケースがある。 |
電気配線の断線・ショート | センサーやメーター配線のトラブルで誤表示されることも。 |
ただしXJR1200 / XJR1300のオイルランプ(通称:オイル警告灯)は「油圧」ではなく「油量(オイルレベル)」の異常を検知して点灯しているようなので、油圧センサーではなく、オイルポンプの吸い込み口との位置関係をオイルパン内の「油量センサー(オイルレベルスイッチ)」で警告灯を制御している可能性もあります。
※参考画像:オイルレベルセンサーの実物はこちら → XJR1200、オイル漏れ修理のブログ記事
ランプが点かないようにしている私の対策
一番古い記憶でオイルランプが点灯したのは2003年ごろ。
その間にも点灯したことは何度もあるわけで、もしも本当に油圧が掛かっていないのであればとっくにエンジンブローを起こしてるはず。
だからこそXJR1200のオイルランプが点灯する原因は、”油圧異常”ではなく油量センサー(オイルレベルゲージ)の検知による油面低下の可能性が高いのではないかという仮説。
エンジンオイルは常に気持ち多めに
XJR1200/1300はオイル消費が多いという報告があり、私も少し多めに入れています。オイルクーラー交換済みなので、純正より滞在量が増えるため、少し多めが安心。
いろいろ試案してますが、これが一番効果がある気がします。
オイルフィルターをこまめに交換
私はたいてい1年に1度、シーズン明けにオイル交換をする程度しか乗らないので、たいていその時期にはオイルとフィルターを同時に交換。
車用エンジンオイルの応急使用も選択肢に
ツーリング先などでオイルが手に入らない時は、ホームセンターで買える自動車用オイルを使うという選択肢も持っておくといいかも。
厳密にはバイクは車と違ってミッションオイルもエンジンオイルで兼ねることから、厳密には車のエンジンオイルとは異なりますので完全な代用品ではありませんが、応急処置としては有効です。
かつて私も車用のエンジンオイルを入れた経験から、緊急時にはホームセンターなどで手に入れやすい車用のエンジンオイルを入れてもさほど問題が起きないことも覚えておいてください。
走り出しは暖機と様子見を忘れずに
オイルが冷えていると粘度が高く、センサーの検知に影響することも。走り出し10分ほどは慎重なアクセル操作を心掛けています。
オイル管理:油温計や油圧計を装着してみるか?
油温が上がりすぎるとオイルの粘度が下がり、結果として油圧低下につながります。
そのため油温計や油圧計を取り付けて常時管理してみるというのもいいかもしれませんが、現在こちらの計画は頓挫してます。
▽オイルの油温管理は大丈夫ですか?

まとめ
XJR1200のオイルランプが点灯する原因の多くは、油量センサーによる検知であり、油圧異常ではない可能性が高いということがわかりました。
しかし、油量低下を放置して走行すれば、最悪エンジンが焼き付き、リアタイヤのロックや転倒の危険にもつながりかねません。
普段からこまめなオイル量確認、フィルターや油温の管理、そして走行中の違和感への敏感な対応が、XJRライフを長く楽しむための秘訣かもしれません。