はじめに:「時間があるのにお金がない」それ、今しかできない贅沢です
先日、バイクとは無関係なジャンルのブログを読んでいて、ふと目に留まった一文がありました。
「学生時代は金がない、社会人になると時間がない、歳をとると体力がない」
まさにその通りだと思いながらも、心のどこかで「これはただの言い訳なんじゃないか」とも思いました。その中で、自力で解決できるのは「金がない」だけ。お金は、借りることも稼ぐこともできるからです。
でも「時間」や「体力」は、そうはいきません。
北海道に憧れたあの頃、旅に出なかった理由
大学生の頃、友人と訪れたバイクショップでXJR400を見た瞬間、心を奪われました。そこから自分のバイクライフが始まります。
ある時、オイル交換か何かで立ち寄ったその店で、店主から言われた言葉が今でも忘れられません。
「そんなにバイクが好きなら北海道へ行け。人生変わるぞ」
その時の自分は、北海道に憧れなんて持っておらず、ただバイクに乗れればそれで満足でした。でも、どこか心の奥で、バイク雑誌に載っていた北海道ツーリングの写真に惹かれていたのかもしれません。
とはいえ、当時の自分には「行かない理由」がしっかりとありました。そう、「金がない」こと。それを口実に、夢のような体験から目をそらしていたんです。
実現できた北海道ツーリング――20年越しの夢のカタチ
それから20年以上が過ぎ、気づけば40手前の中年に。北海道ツーリングの夢も、すっかり記憶の奥に追いやられていました。
ところがある年、会社の方針で全社員に「有給以外に10連休を取れ」とのお達しが。加えて、社員旅行で北海道に行くことになったのです。
この二つが重なったとき、「これは行くしかない」と心が動きました。ようやく、自分の中の「北海道に行きたい」という思いに正直になれた気がしました。
こうして、人生初の北海道ツーリングを実現することになったのです。
若い自分に言いたい――金は借りられる、でも時間は戻らない
あの頃の自分に言ってやりたい。
「金は借りればいい。でも時間は、誰も貸してくれない」
大学生の時、知り合いにこう言われたことがあります。
「時間があっても金がない、金があっても時間がない。金がないなら借りればいい」
当時は乱暴な考えだと感じました。でも今なら、その真意が痛いほどわかります。社会に出ると、自由な時間を作るのがいかに難しいか。2ヶ月の長期休暇なんて、まず無理です。
時間がある学生時代に、もっと思い切ったことをしておけばよかったと本気で思います。部屋でエアコン全開でゴロゴロしていたあの時間を、もっと価値ある体験に使っていたらと。
終わりに:時間がある若者に伝えたい。ちょっと背伸びしてでも「経験」を
もちろん、お金がない中で旅をするのは簡単なことではありません。でも、経験に勝る投資はないと今なら断言できます。
私自身、北海道ツーリングを終えた今だからこそ「お金以上の価値があった」と胸を張って言えるのです。
もしあのまま行かずにいたら、今でも「いつか北海道に行ってみたい」と言い続けていたかもしれません。そしてきっと、年齢や体力の問題を理由に、また旅を見送っていたかもしれません。
北海道はただの憧れの地ではありません。人生のタイミングを逃さなければ、本当に「人生が変わる」体験をさせてくれる場所です。
今、若くて時間があるなら、ぜひ行ってほしい。親から借金してでも構わない。それだけの価値が、あの大地にはあります。
バイクに限らず、どんな旅でも構いません。あなたがなにか興味があることに心動かされたなら、その感情を信じて一歩を踏み出してほしい。
◎ おわりに一言
若いときの「金がない」は、意外とどうにでもなる。
でも「時間がない」ことの方が、ずっとやっかいです。
だからこそ、あなたの「今」という時間を、ぜひ有意義に使ってください。